性病のなかで、脚に違和感や痛みを感じるものなんてある?

足の付け根のしこりの原因となる梅毒

性病というと性器の痛みやかゆみ、おりものの異常、下腹部の痛みなどが思い浮かぶかもしれませんね。でも梅毒の場合、脚の付け根にしこりができるのが特徴なんです。これは感染後3週間程度で出てくる初期症状で、痛みをともなわない場合もあります。そのうちしこりは消えてしまうので、このまま放っておくと第2期に症状が進み、全身の皮膚に「バラ疹」と呼ばれるブツブツができます。昔は治療法がなく第4期まで進行すると最悪死に至る怖い病気でしたが、現代ではペニシリンを使用して治療できる病気となりました。

しかし梅毒はいま若い人に急増している性病でもあるのです。梅毒は性交渉で感染するのでコンドームで感染を防げると思いがちですが、セックスやアナルセックス以外にもオーラルセックスでのどに感染することもあります。「コンドームを使っているし、性器が痛いわけじゃない」と性病だとは思わず検査が遅れると、第1、2期での発見が遅れて治療が長期化してしまいます。また梅毒は第1、2期に非常に感染力が強く、梅毒と気づかずこの時期に性交渉をしてまん延させていることも考えられるそうです。 疑いのある性交渉のあと、脚の付け根の違和感を感じたりしこりがある場合は感染してるかもしれないと疑って検査をしましょう。

太ももの腫れや痛みの原因となるヘルペス

太ももの腫れや違和感、痛みを感じたら性器ヘルペスに感染しているかもしれません。他に性器やお尻や太ももなどに水ぶくれのような赤いブツブツした発疹があらわれるので、こうした発疹と太ももの腫れが出たら性器ヘルペスの疑いがあります。検査を受けましょう。性器ヘルペスは感染しているからといって必ず症状が出るわけではありません。女性の場合、感染しても50%以上は症状が出ないそうなんです。なので感染していることに気づかず、パートナーにうつしてしまってから初めて自分が感染していたと気づくケースもあるようです。

そして気をつけなければならないことは、性器ヘルペスは完治することは難しい病気だということです。一度感染すると脊髄神経で一生住み続けるそうです。そのため抗ウィルス薬や塗り薬などを使って症状を抑える治療をします。しばらく症状が治まっていてもストレスや疲れでホルモンバランスが崩れたり、生理や性交渉などで再び症状があらわれることもあります。数年後、数十年後に再発することもあります。症状がない時はウィルスが出ている量は少ないので感染する可能性はとても低いのですが、症状が出ている場合はコンドームを使用していてもコンドームで覆われていない部分にウィルスがいると感染してしまうこともあります。患部を触ることで感染する場合もあるので注意しましょうね。

足の付け根の腫れの原因はHIVの可能性も?

脚の付け根に症状が出る性病には梅毒や性器ヘルペスがありますが、見逃してはいけないのがHIVの感染です。 HIVウィルスは、感染するとだいたい1〜2週間くらいでリンパに到達して増殖を始めます。この時期がHIVの急性期で初期症状があらわれる時期でもあります。発熱や頭痛、下痢や嘔吐、倦怠感など風邪と似た症状のほかに、リンパ節が腫れることがあり、脚の付け根などリンパ節があるところが大きく腫れる場合があります。

また背中や胸、顔、手足に発疹ができることもあります。発熱や倦怠感は風邪やインフルエンザと間違えやすいのですが、脚の付け根の腫れや発疹がともなうとHIV感染の特徴的な症状ともいえるのです。

一見脚の付け根の腫れはHIVと関係のなさそうな症状ですが、疑わしい性交渉や気になる性交渉の後は発熱などとともに注意する症状の一つとなります。

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